相続・資産税コラム
2012年11月12日 第82回 固定資産の交換の特例
個人が、土地や建物などの固定資産を同じ種類の固定資産と交換したときは、譲渡がなかったものとする特例があり、これを固定資産の交換の特例といいます。この交換の特例に該当しなければ、譲渡ということになり、その売却益に対して所得税がかかります。
以下がこの特例を受けるための要件です。
(1) 交換により譲渡する資産及び取得する資産は、いずれも固定資産であること。
不動産業者などが販売のために所有している土地などの資産(棚卸資産)は、特例の対象になりません。
(2) 交換により譲渡する資産及び取得する資産は、いずれも土地と土地、建物と建物のように互いに同じ種類の資産であること。
この場合、借地権は土地の種類に含まれ、建物に附属する設備及び構築物は建物の種類に含まれます。
(3) 交換により譲渡する資産は、1年以上所有していたものであること。
(4) 交換により取得する資産は、交換の相手が1年以上所有していたものであり、かつ交換のために取得したものでないこと。
(5) 交換により取得する資産を、譲渡する資産の交換直前の用途と同じ用途に使用すること。
(6) 交換により譲渡する資産の時価と取得する資産の時価との差額が、これらの時価のうちいずれか高い方の価額の20%以内であること。
(5)(6)の要件が結構厳しいです。同じ用途ですので、住宅と事務所問うわけにはいきませんし、交換に当たり差額の金銭のやり取りがあれば、所得税です。
要件に合致するか、必ず税理士に相談してください。