相続・資産税コラム
建物の相続税評価と固定資産税評価
建物の相続税評価は、固定資産税評価額をもとに算出します。自宅の場合には、固定資産税評価額がそのまま相続税評価となります。
この固定資産税評価額ですが、床面積の増減や構造の変更を伴わないリフォーム工事については、評価額の見直しが行われません。
リフォーム費用の取り扱い
システムキッチンの工事、フローリングの工事、浴槽の工事、壁紙の工事、建物にかかるリフォーム工事を行うと、かなりの出費を伴います。
相続開始直前にこのような工事が行われた場合でも、建物の内装等の原状回復費用については、評価額の見直しは行われないのが一般的です。
それでは、相続開始前に行われた大幅なリフォーム工事によって、建物の価値が上昇している場合には、相続税評価上、どのように取り扱えばいいのでしょうか。
固定資産税評価では、建物と一体となっているものについては、独立した資産として存在しているものではなく、市場に流通し得ない資産であり、また、建物と一体として固定資産税評価額に含まれていると考えられます。
つまり、内装リフォーム工事であるキッチンやフローリング、浴槽、壁紙等は独立した資産ではなく建物に含めて評価を行うことになります。
リフォーム工事を行ったとしても、固定資産税評価額に変更がない場合には、そのリフォーム費用は原状回復費となり、相続税評価に加味する必要はありません。
大幅にリフォームした直後に相続が起きたら
念のため、市区町村又は管轄の都税事務所に、リフォーム工事が家屋の固定資産税評価の再評価の対象とならないか、確認しておくと確実です。
相続開始直前に家屋のリフォーム等を行うことで、実際の建物の価値は上がる一方、相続税評価は上がりません。
売却予定の建物や賃貸物件のリフォーム工事を行うのであれば、生前に行うと、相続税の生前対策にも有効な手段となります。