相続・資産税コラム
マイホームを売って利益が出た場合、利益から3,000万円を差し引くことができます。
この特例は、相続で取得した居住用財産にも適用できます。重要な要件として、所有者として居住したことがある点が挙げられます。
例えば、相続以前から父と同居していて、相続から1年後に土地と家屋を売却するケースです。この場合、3,000万円の控除を受けることができます。今回は、相続により土地及び家屋の取得をしており、所有者として居住していた土地及び家屋の譲渡ですから 3,000万円の控除を適用することができます。
次のようなケースでは、残念ながら認められません。
2年前までは父とその家屋に住んでいたが、父が老人ホームへ入居することとなり、同時に子も別の場所に移住したケースです。その後、父が亡くなり、相続によりその土地と家屋を取得し、今回この土地と家屋を売却しようと考えているとします。
この場合、3,000万円の控除は受けることができません。
通常、居住しなくなってから約3年の家屋である場合には、3,000万円の控除を受けることができます。
しかし、今回の場合、所有者として居住したことがないため、3,000万円の控除の適用を受けることができません。
もう1つ注意点があります。
相続取得の場合は、親の取得価額をそのまま引き継ぐことです。
相続税では「路線価」を使って計算しますが、これを取得価額と勘違いする人がとても多いのです。
相続税申告のときの評価額が4,000万円でも、 親が昔買ったときの取得価額が500万円なら、 500万円が取得価額になってしまうのです。 さらに、建物は減価償却費を差し引きますので、 取得価額はもっと小さくなります。
つまり、相続で取得した居住用財産を売却すると、利益がたくさん出てしまうのです。
居住用財産の3000万特別控除は、要件が難しいので、あらかじめ、税理士に相談しておくことをお勧めします。