相続・資産税コラム

2014年07月23日 第292回 家族名義の預金の相続財産への計上の要否の判断

■ 預金の実質帰属者の判定

被相続人の相続財産とされる預金は、単に預金の名義により区分されるものではありません。例えば、夫から専業主婦である妻への資金移動により妻名義の預金が形成された場合、それが家事労働の対価としての性質であったとしても、税務上は妻の預金とは認められず、全て夫の相続財産になります。

家族名義の預金が、名義人固有の預金であるのか、被相続人の預金であるのかは、主に以下の状況を総合的に勘案し、実質的な所有者を判定します。

①預金の財源

→預金が何を基に形成されたのか。なお、名義人固有の財産と認められるものは主に以下のものになります。
1.結婚持参金 2.結婚後の給与や不動産等の収入 3.名義人の両親等からの遺産 4.適正な手続きにより受けた贈与財産 5.公的年金 6.金融商品の果実、運用益(利息・配当金、売却益等)

②財源の管理者・支配者

→通帳や証書の管理、届出印の管理者、預金関係の郵便物の送付先、運用の最終意思決定者は誰なのか。なお「支配」とは、自己の意思で自由に使うことができることを意味します。

③財産から生ずる利益の帰属者

→預金利息、株式・投資信託の配当金・分配金等が誰に帰属していたのか。

④経緯・関係

→預金の名義人がその預金を有することになった経緯、被相続人と名義人の関係。

名義預金の判定は画一的なものではなく、様々な状況を総合勘案して判定するため、税理士によって相続税の課税財産に大きさ差が生じることがあります。また、税務調査で指摘されることが多い論点でもあります。被相続人と相続人間での生前の預金移動が多いという場合等には、相続税専門の税理士に依頼し、慎重に判断することが望まれます。

<参考> 固有財産を判定するために必要な資料
・年金記録…標準月額報酬から、過去の給与水準を把握
・相続税申告書、贈与税申告書、贈与契約書
・通帳、残高証明書

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